鈴蘭学園物語①

第1章 スズランの館 /コンビニ事件



「ふわあ…」



大きなアクビを一つ、眠い目をスリスリ。

何とも濃厚な一夜を明かした本日、俺はスズラン館一階にあるっつーコンビニへと向かっておりました。


いよいよ入学式を明日に控えた、入寮二日目。

コンビニへの道中、ちらほらと他の寮生とすれ違う。


どうやら朝ご飯食べに、食堂に向かってるみたい。


そいつ等を横目に、なっがい廊下を進む。

ちなみに未だに前髪はモッサリ中。


ヤーさんの看病にかかりっきりで、荷解きがまだなもんで。
お気に入りのピンは未だ行方不明。

ちなみに龍ヶ崎クンは、まだまだベッドの住人です。


目を覚ました大型獣は一度自分の部屋へと戻ろうとしてたけど、ベッドからの第一歩で崩れ落ちたてたから…




「大人しく寝とかねぇと、脇にもう一発入れるぞ」



って脅し…注意したら俺の事をじっと睨み付けた後、渋々ながらベッドに戻って俺に背を向けて横になっていた。


まぁ俺も、病人相手に二度も手上げるなんてちょっとは反省してんだ。…ちょっとだけね。


だってそうでもしないと言う事聞かねぇんだもんよ、あの手負いの獣。



薬飲ませといたけど、何か栄養のあるもん食べさせねぇとな。


庶民派な俺にとっちゃコンビニって定価販売がネックだけど、意外と品揃えいいから必要な物は粗方買えるよな。


って…。




「…何これ、すげぇゴージャス」



ウィーン、と自動ドアが開いた先にはコンビニっつー表現が当てはまらない規模のきらびやかな空間が広がっていた。


コンビニっていうよりあれだよあれ、デパ地下。

めちゃ広いし、めちゃキレイだし。
何つーか、空気がキラキラしてんだけど。



…ここ、コンビニって名乗っちゃいけないと思う。


普通のコンビニにデパ地下で見るようなスイーツが陳列したショーケースはないと思う。

普通のコンビニにデパ地下にあるような焼き立ての香りが漂うパン屋さんはないと思う。

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