鈴蘭学園物語①

第1章 スズランの館 /桜並木と金髪


母さんを亡くし、天涯孤独の身となった俺。


黒崎誠、ぴっちぴちの十五歳。

身長170cm以上、黒髪茶眼。

生まれも育ちも下町っ子な一般ピーポー、以後よろしく。


趣味は身体を動かす事、一番は空手が得意だけど他に色々なジャンルの武術に手ぇ出して自分に合った動きを極めるのが好き。

そんなもんで顔も性格も周りからよく男前なんて言われますが、んでもって今もナチュラルに自分の事を『俺』なんて言ってますが。



性別、正真正銘女の子。


小さいけどオッパイあって男にぶら下がってるもん付いてない、生まれた時から女の子。


そんな俺はただ今、使い古したボロボロの旅行用バッグを肩に掛けてかれこれ一時間の登山の最中だったりします。





「~っ、長ぇんだよこのクソ坂道が!!!」




思わずその場でダン!と地団駄を踏む。

周りに誰も居ないのをいい事に、俺の口からは荒々しい心の叫びが駄々漏れ中。


つか逆に誰か聞いてほしいんだけど、山の上に続くこの一本道に俺以外の人の姿はなし。

そんな俺の荒んだ心とは裏腹に、道の両脇には満開に咲き誇る桜並木が延々と続いていた。


この先に俺がこれから通う事になる高校――私立《鈴蘭学園》があるはず…なんだけど。

上り始めて1時間経っても変わらない光景に、果たしてゴールはあるのかと桜の妖精に問いたくなる俺ですよ。

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