幻の死初列車 第1章ー改訂版ー

作者辻咲アーサ

幻の死初列車 第1章ー改訂版ー
新たに校正していきます。見やすくなりました
ので、是非、ご愛読して下さい。宜しくお願い
致します‼︎

「ねぇ、人って死ぬ前がわかる人と、


知らないで死んでいく人と、


二通りなんだって…。


死ぬ前がわかる人は、


臨死体験の時、


死初(しはつ)列車という列車に乗る。


その列車が蛇のように長く、


死者と臨死の人を乗せて、


空を登って宇宙を舞う時、


言葉に言い尽くせないほど、


息苦しくなる…」


学校の帰り道、


仲良しグループ男女五人は、


ある噂話で盛り上がっていた。


「なんか、その話凄く嘘臭くねえー。


毎日始発列車で通勤してる人に、


申し訳ないと思わないのかよ。


その噂、流した人…」


すかさず釘を打つのが、


この話のヒーロー椿準

(つばき じゅん)。


「そうだよー。大迷惑な話…。」


相づちを打つのが、


ヒロインの東藤 薫子

(とうどう かおるこ)。


「続きを聞いてよ。一年に一度だけ


その列車は走るらしいけど、


その死初列車の悪夢を見続けた人が、


一週間後に


臨死体験らしき夢を見て、


亡くなったんだって…。


嘘じゃなく本当にあったらしい。」


死初列車の説明をするのが、


薫子の大親友の高峰景

(たかみね けい)。


「本当に不気味な話しだよねー。


やだやだ。」


返事をするのが準の悪友、


滝沢謙太

(たきざわ けんた)。


「…。」


無言で聞いているのは、


準と謙太のこれもまた悪友の長田広

(おさだひろ)。


五人はこれから遭遇する


信じられない体験を予期することなど、


その時は、


他人事のように


いつもの日常会話を楽しんでいた。


そう、ある出来事が起こるまでは――。