キミとまた、同じ空の下で。

第4話 ロールケーキは塩の味


ゆり子が転校してきて初めて、私とゆり子の“初めて”が重なった。

それは、高校生になって初めての夏休み。

毎年、それなりに楽しんではいたけど、今年の私は浮かれきっていた。だって、今年の夏はゆり子がいるから。

バーベキュー、スイカ割り、プール、花火大会、夏祭り。ゆり子とやりたいことがたくさんある。

その一つ一つに、ゆり子がどんな反応を示すのか、どういう表情をするのか、想像するだけでわくわくした。

そんな私のうきうきしたテンションを、まさかのゆり子が打ち砕いた。


≪夏休みの課題、終わらせてから≫

「…そんなぁ」


夏休み2日目の夜。
携帯電話を持っていない私は、家電からゆり子のケータイに電話をかけた。夏休みの予定を組もうと思ったから。

それなのに、ゆり子から返ってきたのは、もっともな言葉だった。

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