レイニーノート【今月中に更新再開予定】

作者空色あまね

ミステリアスな男が平凡な女子大生へ運んできたのは、苦く芳しい、コーヒーのような恋だった。――今日も彼女は、雨の香る部屋で彼を待つ。




――私の好きな人は、雨と煙草と香水の匂いを連れてやって来る。





雨の日にだけ訪れる、

名前も素性もわからぬ男。



に嫌って言わせたいんですか?」

「まぁ、っつっても、やめないけど」




女の影をちらつかせるのに、

どうして甘く触れるのか。



「お前の可愛いトコだよな」

「あなたは本当に狡い人ですね」




真意は未だ、雨の中。

暗中模索の夢うつつ。







今日も私は箱庭で、あなたに溺れる夜を待つ。




photo by:Color Drops

cover by:戦場に猫