一人の少年と、一人の少女。

この二人の出会いが、平凡な日常の終局となる――。


 


 父親の智彦(ともひこ)と二人暮らしをしている紫藤正也(しどうまさや)は、高校一年生。


 彼の背中には肩甲骨から腰のあたりにかけて一直線に伸びる大きな傷跡がある。また、理由も言わずに自分と父親を捨てて家を出ていったきり、十年以上も連絡をよこさない母親・静枝(しずえ)に対して、常日頃から怒りを募らせていた。


 十六歳の誕生日を二日後に控えた日、智彦が正也は同い年の美

しい少女・小鳥遊綾奈(たかなしあやな)と出会う。


 この出会いが、正也の平凡な日常の終局であり、彼の出生の秘密を紐解くものだった。

 

 十六年前、彼らにいったい何があったのか……!





(完結小説)


第六回クリエイティブメディア出版出版大賞

長編小説部門優秀賞受賞作品