神様も夢をみる~奄美大島~

作者白石

帰りたくなかった。何もない島。それでも帰ろうと決意させてくれた息子と、遠い昔の彼とその家族に起こった事件。きっと奄美の神様は夢をみた。そんなお話です。

あんな事がなければ、二度と帰ってなんて来たくなかった。この島には何もないから。ずっとそう思ってきた。それでも、東京や大阪が世界に名を馳せる都市になるために、迷う事なく捨ててしまった物の全てがまだここにはある。それはこの島の子供として育てた息子が私に教えてくれた、奇跡の物語。