それは昔々のお伽話。中流貴族の少女と、帝の落胤である少年の、二葉を巡る淡い恋物語。
ー私たちは藤若草。その花の通り、私たちは「決して離れはしない」。





ーずっと一緒だよ。




ーずっと傍にいるからね。







この世の全てを疑って、


凍えてしまっていたあなた。





あの日、あの時、あの場所で、


私があなたに語った言葉は、


決して嘘じゃなかった。






ーー例えどれだけ私たちの体が、


風に運ばれる葉のように軽くても。





ーー例えどれだけ私たちの想いが、


数多の人々に引き裂かれたとしても。





ー決して離れない魂だけを頼りに。







巡り巡ったその先で、




どうかまた、愛しい貴方に逢えますように…