その羽根を広げてみて 【完】

昨日は私、一夜さんから逃げるために先に帰ったんだった。


「ごめんねー。昨日は急に予定が入っちゃって……。今日は行こっ! 楽しみー!」


一応、先に帰るって声かけたんだけど……なんて反論は神経を逆撫でしてしまうだけ。


我を通したって、いいことなんかひとつもない。


自分が折れることを覚えていれば、大抵のことはうまくいく。


「ちーちゃん。行こー!」


私の腕に笑って絡み付いてくる友達。


女の子って何でこうもベタベタしたがるんだろう。


化粧直しに励む菊地さんたちグループの笑い声が響いている教室に、

「キャーーッ!!」

廊下から高い喚声が乱入してきた。

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