その羽根を広げてみて 【完】

渋々腰を曲げて、恐ろしい自動車に乗る。


「あ……」


驚いて、一旦停止。


シートにはチカさんが座っていたのだから。


「早く乗れよ。ケツ蹴るぞ」


背後からはハクの脅迫兼セクハラ攻撃。


「最低!」


普通、女の子に対してお尻を蹴るなんて言う?!


私が慌てて乗り込むとハクはドアを閉め、自分は助手席に乗り込んだ。


運転席には見知らぬ男。


ハクが乗ったのを確認すると、静かに発車させた。


ここ空気薄くない?


きっと隣にチカさんがいるからだ。


チカさんの強い存在感はただ座ってるだけなのに、平民な私に溺れたような息苦しさを感じさせていた。

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