その羽根を広げてみて 【完】

その羽根を広げてみて /接触



公園に横付けされていたブラックのセンチュリーに乗り込んだ。


一夜さんが運転するのかと思っていたら、運転手は別にいて一夜さんも私と同様後部座席に座った。


「出せ」

と一夜さんが低く呟くと、車は緩やかに発車した。


車窓にはカーテンがつけられていて、外の景色を見ることはできない。


運転手がいるってことは一夜さんはお金持ちなんだろうか?


着ているスーツだって、電車で見かけるサラリーマン着用のものとは何だか違って見える。


一夜さんの左腕にはめられていた丸い文字盤が大きな銀色の時計はところどころキラキラ輝いていたし、絶対に高いものだろう。


こんな人が私のお兄さんだなんて……。


え?
待って?
一夜さんが私のお兄さんなの?!

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