虞犯少年

私が彼に堕ちた後 /偽りだらけの少女



朝は嵐が必ず迎えに来る。私を一人では行動させたくないみたい。学校に行くにしても、何にしてもいつだって嵐が居る。それが苦痛で仕方なかった、前までは。毎日毎日苦しかった。重かった。

なのに息苦しくさせてた本人が今は私に息の仕方を教えてくれている。変だよね。憎かったのに、それと同時に愛を知ってしまった。時間は確かに進んでいる。



「…明日香、顔色悪くね?」


「ちょっと寝れなかっただけだよ?本当、嵐は心配しすぎ」



顔を覗き込んできた嵐は私の頬をそっと撫でる。

…言えない。本当のことは。

瑠璃に言われたあのセリフも、"不安"だなんて気持ちも。




「好きな女の心配すんのは当たり前だろーが」



だって嵐はこんなにも私を思っていてくれてるのに。不安、だなんて言える訳ない。嵐は朝が苦手なくせに、こうやって毎日"私の為"に頑張ってくれている。

その腕に引かれ、私は嵐の腕の中。ギュッと自分から目の前にある嵐の胸元に抱き付いて、体温に包まれた。


あんな電話をしてしまったからなのか嵐は余計に私の心配ばっか。そわそわどこか落ち着きがない。もしかしたら、電話を切ったあの後も私の事を考えていてくれた?


クスッと笑みを零すと嵐も安心したように小さく口元を緩めた。

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