虞犯少年

私が彼に堕ちた後 /もう戻らないあの日々



朝になったら学校に行って、帰ってきたら抱き合うそんな繰り返しな毎日でも私には幸せだった。

いつでも嵐がいてくれる。温もりを与えてくれる。

その行為自体は好きでなくても求められることは単純に嬉しい。だから私は受け入れる。真上で息を漏らし夢中になって私を味わうよう舐め回す舌も、唇も指も耳も私だけに感じてればいい。



「壊れちまえ…っ、俺でいっぱいになって可笑しくなれよ」



嵐は私がこの家で一緒に暮らすようになってからより一層嫉妬深くなった。ただでさえ嫉妬深い嵐は周りの人間への警戒心が増した。前までは女の子だったならまだ話したりもできたけど、今では性別なんか関係なしに自分以外と接触するのをすごく嫌がる。

私は私でもう嵐以外なんていらないからどうでもいいし、誰かと関わる事で傷つくだけなら必要ない。

ほんの少しでも嵐以外を見たりするだけで「どこ見てんだよ」と怒りながらその舌は口内を犯す。

私の自由は何もない。嵐が許す範囲だけ。

全て限られている生活は生きにくい訳でもなければ、生きやすい訳でもない。

私はわかっていた。嵐がどうすれば嫉妬をして、怒るのかを。だから私はわざと嵐を嫉妬させる。

嵐の場合ヤキモチなんてそんな可愛いものじゃないけど、私に向ける嫉妬剥き出しで迫ってくる瞳ほど綺麗で汚いものはない。

私は、愛されている。狂う嵐を見ることが、その手で誰かを傷つけることが、それだけ私を愛しているんだ言ってるようで心地いい。

真っ直ぐに注がれる愛を信じてない訳じゃないけど安心したいんだ。ちゃんと示して。その声で、体で言葉で私を離さないって言って―…

こんな形で試してる私を嵐は知ってか知らずか見事にハマってくれる。嵐が怒るのは怖いけど、我慢できる。

その怒って歪む顔も愛しいよ。もっと私で狂っちゃえ。

強く抱きしめられる腕の中で満足げに笑ってることを嵐は知ってる?

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