虞犯少年

私が彼に堕ちた後 /それは言葉じゃないんだ



本当に、何もかも滅茶苦茶だ。



「あれ、泣いちゃった?」


「つーかここじゃさすがにやべーだろ。どうすっか」


「いいんじゃね?そこのトイレでも」


「うっわー。お前、えげつねぇな」



何がそんなに笑えるんだろう。私は笑うどころか、涙さえも流れなかった。

ショックなんてそんな一言じゃおさまらない。

このどうしようもできない感情も、自分自身にも。

なんで信じたんだろう。信じたって裏切られるだけなんだと、あれだけ痛い目を見てきたのに…"信じたい"と思うこと自体が私にはいらない感情だった。

瑠璃とこの人たちがどういう関係で、どういうやり取りがあったのかはわからないし考えたくもない。

今はもう、そんなことどうだっていい。



「あっれー、抵抗しねぇんだ」



笑みをこぼしながら誰かが私の腕を持ち上げる。

私は抵抗するどころか声が出なかった。

それはこの汚い現実を受け入れたから。

逃げようとする気力さえも失って唇が切れそうなくらい噛み締める。

闇に呑まれた。

黒く塗り潰されたのは私も一緒。


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