虞犯少年

私が彼に堕ちた後 /背を向けて遠回り




あのまま、新さんの腕の中で眠りについてしまった私は起きた時に「おはよう」と聞き慣れない声が降り注いで目が覚めた。


あぁ、そうだった。私は新さんの家にいたんだ。


現実味が帯びていない現実を受け入れるのには少し時間がかかって、鈍いままの頭で考えることはやっぱりアレは夢なんかじゃなかったっていうこと。


夢だったなら、よかったのに。


全部どれもこれもが夢でずっと抱き締めてくれていたこの温もりが嵐だったならよかったのに。


そう思う私は最低だ。自分が選んだくせに、心が体が、本能が嵐を求めていた。



「目、腫れてる」



泣きすぎたせいで不細工な顔をしてるに違いない私の目を見た新さんは親指で触れるか触れないかくらいの距離で触る。

間近にある綺麗な顔。凛々しい眉に意志の強そうな瞳は同じ。

今更ながらちょっと恥ずかしくなって私は俯いた。


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