虞犯少年

私が彼に堕ちた後 /噛み切れ、踏み切れ、縁を切れ




朝、目覚めた時はすでに新さんの姿は隣になくて横にあったぬくもりはまだ消えることなくあるのにそれを残していった本人はいなかった。

さっきまで新さんがここにいたという温かさにそっと触れ、ベッドから足を出して寝室を出る。

太陽の光が差し込んで部屋を照らす中心で煙草を吸う横顔に思わず見惚れそうになった。

恋愛感情はなかったとしても単にこの人の放つ雰囲気にはくらくらさせられそうになる。

嵐と似ているから。それもあるけどそれだけじゃない。

この心を預けてしまおうとした人をここからじっと見ていれば私の存在にすぐ気が付いて、白い息を吐き出した。

そしてすぐに灰皿に煙草を押し当て火を消す。




「おはよう」


「おはようございます」



煙草の匂いがふわふわと泳ぐ空間に歩み寄る。

交わされた挨拶も、視線も、ゆったりと流れる空気も違う。清々しくて新しい呼吸の仕方を知ったような、朝。


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