一応夫婦

半年後の彼女 /1



午後から三講を受け、槇原稔はノートや筆記用具をまとめて講義室を出ようとした。

イスから立ち上がったとき、ジーンズのポケットに入れたスマートフォンが震える。


急いで講義室を出て、スマートフォンを耳に当てた。
電話は父親の雅和からだった。


『今日は七時から神木家と食事だ。覚えてるだろうな』父の低い声が告げる。

「ええ、もちろんです。今から帰るところですよ」

『そうか。くれぐれも向こうのご家族に迷惑のないようにな』

「わかってますよ」

『葵さんと会うのも半年ぶりじゃないかお前、楽しみだろう』




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