一応夫婦

半年後の彼女 /2



神木家と会う約束をしている場所は都内の高級ホテル内にあるフレンチレストランだった。


駐車場にルポを止め、エントランスを入った。広いロビーは客を暖かい光で出迎えてくれるが、高級ホテル特有の重厚感があった。

腕時計で時間を確認する。七時二十分前だった。

すぐ傍のレストランに入り、中を見回す。両親の姿を見つけた。


大股で両親のいるテーブルに近づいた。一番奥の団体用のテーブルで、八人分の席があった。

四十歳の母、加代子は稔に笑顔を向けた。「あっという間に半年経ったわね。神木家の皆さんに、粗相のないように」

雅彦も無言で頷く。

「わかってますよ」


襟が立ってるわよ、と加代子は稔のスーツのジャケットの襟を直した。

「あら、いらっしゃったみたいよ」

加代子の言葉に、稔は入り口を振り返った。



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