【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第2章~キョウダイの契り~ /―鍵と吸血鬼―

「アイツの実家の葛城家は‥

長いことウチとしのぎを削る間柄でね‥」

姫が個室から姿を消してから

夜叉兄がワイングラス片手にゆっくりと語り出す。


「むこうは先代が表舞台から身を引いて

このところ大人しく影を潜めちゃいるが

かっては相当な武闘派として名の知られた集団で

ウチもずっと手を焼いてきたっていう歴史があって‥」


「‥‥はぁ」

また、物騒な話になってきたな‥

そんな怖い感じの印象はなかったけど、今の桔梗姫も、彼女のお兄さんも


「それで長らくモメ続けてきた両家の怨恨の連鎖を断ち切るために

ウチの祖父は、葛城の先代と一つの取り決めをしたんだ。

年の変わらない孫同士をひっつけて、お互いの緩衝材にしよう‥ってね」


「緩衝材‥って、ぶつかり合いを和らげるってこと?」

「そう‥

だから幼い頃からあの二人は、互いの家同士が決めた許嫁で

桔梗はウチの〝姫〟なんだよ」


「‥そう、なんだ‥」


「そう、なんだけどね」

呟いて、それから夜叉兄は、悩まし気なタメ息をつく。

「あの弟は、自分の重要性を全く理解してない‥

というか、立場をわかってないんだな。

相手を怒らせるような、勝手な行動ばかり繰り返して‥」


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