【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第2章~キョウダイの契り~ /―多聞天―

聞こえた声にハッとする。

男の一人が振り向いて、笑った。


「これはこれは、多聞くんじゃねーか、久しぶり~」


修羅兄にやられ倒れ込み、床に伏せてた不良男たちの瀕死体の山‥

その上に、いつの間にか多聞が一人

起き上がってスタリと立ってた。


「その人に何する気だよ?オマエら」


「うっせぇっつの!オマエなんかには関係ねぇよ!」

一人がタンカきって、もぅ一方がそれを制する。


「いや関係あんじゃね?

オマエご主人様のとこまで走って行って、修羅に伝えてこいよ?

〝女返してほしけりゃ、大黒フ頭の倉庫まで、一人で来い〟って‥

うおっ!」


瞬間、男の目じりを何かがかすめ飛び、頬に赤い線が走る。

ビィィィィン‥ダーツのように男の背後の壁に突き刺さったのは

細く鋭利なナイフで‥‥


「テメェ何してやがんだっ!いきなり飛び道具つかってんじゃねーぞ!!」


怒鳴りつけられた多聞は、暗い目で相手をにらんでる。


「その人が誰か知ってて言ってんのか?オマエら。

相手は宮だけじゃねーぞ?

東條のグループ全体を敵に回す覚悟あんのか?って聞いてんだよ?」


普段とは打って変わって、妙にドスのきいた声で言うから

多聞の秘めた本質を見せられたような気がして

私はゾクリと怖くなる。


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