【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第1章~兄と弟と、それから私~ /―夜叉と修羅ー

「どっかで見たことある顔だと思ったら、そうか!

牡丹さんの娘?なるほどね」


ニッコリ笑いかけられて、現実に引き戻される。


記憶の中の姿よりは、ずいぶんと大人びて、引き締まった笑顔…

けれど、キリリとした精悍な顔つきも

身にまとう涼し気なオーラも、少しも変わってない。



「多聞オマエ、バカだな。

修羅に何聞かされたのか知らないが

彼女は今日から、うちの妹だ」



「…………え?」


言われた多聞は

青ざめて絶句したまま、私の顔を見てくるけど

私は私で、信じられない気がして、戸惑いがハンパなくて…



イヤだって、そうだ。

多聞はさっき自分の口から、この家には息子が二人いる、って言ってたし…

学校で会った、あのボス男が弟なら

〝若〟と呼ばれる兄にあたる人物もいるわけで…


それに、そういえば確か

あの時の暴漢は、この人のことを〝東條のせがれ〟って呼んで…



「ちょっと待って下さいよ!若!

何言って、どーゆー意味…」


口をパクパクさせて慌てる多聞を見て、相手が笑う。





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