【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第3章~血の繋がり以上の絆~ /―おかえりー

な‥何?何??


視界を遮られ、暗闇の中で戸惑うけど‥‥だけど


この感触は、身に覚えがあって‥‥


そぅ確かに

全身かかる圧力も‥‥

背中や腰に、強く巻きついてくるような、その腕も手も‥


だけど、嘘‥でしょ?



信じられない気持ちで、顔あげようとしたら

自分の後頭部にまわされた指先に力がこもって

そのままギュッて、相手の胸に額を押しつけられた‥‥‥


そんな抱きしめ方をする人を‥私はこの世に、一人しか知らない。

〝離したくない〟って言われてるような気分になる。


いつもそぅ、この両腕に包まれる時は‥いつも

頭が真っ白なくせに、思考がグルグルして、心臓もドキドキもして‥


胸の鼓動が早くなってるの‥こんなにも密着してるから

むこうにバレちゃったらどうしよう‥とか

そんなことばかり無駄に考えて‥


何だか、恥ずかしいような、苦しいような、情けないような、切ないような‥

それでいて、優しいような‥‥


もっとずっと、そうしていて欲しくて‥

でも早く、逃れた方がいいような気もして


押し寄せる感情の波が、あふれ出す涙を止められなくする。


どこ行ってたの?どうしてたの?元気だった?危ない目にあってなかった?寂しく‥なかった?


聞きたいことが山ほどあって

だけど、嗚咽まじりに、言えた言葉は一つだけ‥


「おかえり‥修羅兄っ」


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