【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

顔をあげると、頭上には明かりの消えたネオンサイン‥‥


フイに思い出したのは、夜の街の情景‥とても昔の‥

ちょうど、こんな暗く湿った場所で

こんなふうに不安で心細くて、泣いてたのは幼い日の私。


〝安心しな?もぅ大丈夫だよ〟


そんなセリフとともに差し伸べられた手

‥握ったらあったかくて、すごくホッとした。


〝一人で来たのか?えらかったな〟


優しく笑って、そう言ってくれた。


ねぇ夜叉兄‥もぅ一度そんな言葉をかけてくれる?


もし‥もしも私が、何とかして夜叉兄を見つけ出して、救うことができたなら

またあの時のように、しっかり手を握って

包み込むみたいにして、ほほ笑みかけてくれる?



そ、そうだ、頑張らなきゃ‥!こんなトコでくじけてられない。

愛染さんに言われたとおり、迦楼羅の居場所をつきとめて‥それから‥‥



ギュッと唇噛みしめて、両目の涙をぬぐって

懐にしまってたスマホを取り出す。


待っててね夜叉兄!

私ぜったい迎えにいってみせるから!


気を取り直して画面を操作しようと

電源ボタンを押して、ハッと気づいた。


ロックかかってる‥‥


‥‥‥‥‥そりゃそうだ。


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