【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第5章~兄の宿命・弟の使命~ /―涙が、こぼれそう―

「や‥しゃ‥にぃ‥?」


指先が口元から外れた瞬間

呟くと同時に、振り向いてた。


「ウソ‥どうして?ゆうれい??」


確かめたくて‥その存在を‥‥

霊なんかじゃなくて、ちゃんと生きてる証拠を実感したくて‥‥


「死んでない?生きてる??‥‥本物の夜叉兄っ?!」


飛びかかるようにして抱きついて、そのまま両手で頬を挟んで

その顔をのぞきこむ。



「‥なに‥言ってんだよ?」

ふんわりと、ほほ笑んだ時の表情みて‥

‥私は奇跡を実感してた。


もぅ二度と目にすることができないと覚悟して

ショックで途方に暮れて‥うなだれて落ち込んで‥


だけど、それでも


どんな方法でもいいから見たいと思って切望してた‥

その笑顔が今、目の前にあって‥‥


こんなに嬉しい瞬間は、人生で二度とないだろうと思えるくらい

神様に感謝して‥‥


とめどなくあふれ出る感情が、おさえきれなくなった頃には

涙で視界もかすんでる。



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