【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第5章~兄の宿命・弟の使命~ /―そうして‥‥―

「なんかやっぱコイツじゃ調子出ねぇな。

あーっも、オレのアイツどこ行ったんだよ~~」


「オレのアイツ?」


後部座席にまたがりながら

修羅兄の背中に張りついてるのは、いつも通りだけど

確かに、普段とちょっと乗り心地が違う気がするのは

このバイクの、硬めのシートのせいかもしれない。


「愛車がどっか行った。たぶん盗難。物騒な世の中おわってる。

朝からなんも、いーことねぇし。」


「‥‥‥‥‥‥‥」

ここで多聞の名前‥出していいんだろうか‥絶対ダメな気がする。



「ねぇ修羅兄‥」

「んだよ?」

ブロロロロロロ‥

音もスピードも、修羅兄の言う〝オレのアイツ〟よりは淡泊で

後ろに乗ってても、いつもより相手の声が聞き取りやすい。


「さっきの話だけど‥‥」

「さっきの話?」


「だから修羅兄のお母さんの‥」

「‥‥‥あぁ‥」


「修羅兄、言ってたでしょ?

お母さんが、こんな世界に足を踏み入れなきゃ、死ぬこともなかった、って。」

「その通りだろ」


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