【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第6章~ハレの涙に盃を~ /―踏み出す一歩―

‥で、そんな

とある日の放課後‥いつものように、落書きだらけの校門を抜け

荒れ果てた学校前の歩道を何気なく歩いてたら


「‥‥‥‥‥‥‥!」

いきなり拉致された。


植え込みとフェンスに囲まれた暗がりに連れ込まれ

叫び声をあげれないよう口を塞がれる。



モガ‥フガ‥ゴフッ!!

ジタバタと無様にもがきながら

どうして私の人生、こんな展開しかないんだろう‥‥

情けなくなってきたけど



「‥‥‥騒ぐなよ‥‥‥」

ささやいた犯人の姿を目にとめた瞬間‥‥コクリと頷いた。



私の素直な態度にホッとしたのか

すぐさま口元を覆っていた両手が外され

「‥‥悪かった。手荒な真似して。」

相手が申し訳なさそうに謝ってくる。


「聞いてもらいたい話があって‥どしてもアンタに‥」

大きな体を丸めて木の陰に隠し、言いにくそうに

そんなことを呟く千手。



迦楼羅に撃たれて以降、姿を見かけなくなって心配してたけど

こうして襲ってくるくらいだから、回復して元気にしてたんだろう。

こんなことされといて、安心してる自分も、どうなのかと思うけど。


「いっつもそうだよね?アナタって。」

私は、驚きよりも恐怖よりも腹立たしさよりも

もぅ何かただ、呆れた気分で相手を見てた。


もしかして、拉致されること自体にも多少

慣れてきてしまってるのかもしれない。

何かしらの護身術でも身につけといたほうが、身のためだろうな、絶対に。


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