【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第6章~ハレの涙に盃を~ /―妹を卒業する日―

「寒いよな‥その格好じゃ‥‥そろそろ中に戻るか?」

聞かれて気づいた‥寒さなんか、すっかり忘れてたこと。

なんだか興奮してる時みたいに、体全体がほてってる気さえする。


「大丈夫だけど‥」

でも私に触れてる夜叉兄の手は、もっとあったかい。

知らないうちに、私が冷えきっちゃったのかな?

それともやっぱり、夜叉兄が普段より多めに口にしたアルコールのせいだろうか?

「夜叉兄も、ちょっと酔っ払ってるよね?」


こんなふうに

この兄が無防備に酔いに浸るなんてこと、珍しいんだろう‥

ボンヤリと思ってた。


そう言えば、さっき愛染さんに促された時に感じてた

夜叉兄に対する距離感も、お姫様抱っこ一つで

どっかへ吹き飛んじゃってたりするし‥


いつの間にか以前に戻ったような感じがしてた。

夜叉兄の部屋で一緒に暮らしてた時の二人に。


気兼ねなく、気さくに会話できてた、あの雰囲気。



優しくてあったかくて、安心できる‥

本来、夜叉兄が持ってる、包み込んでくれるような懐の深さ。


もぅ少し‥続けばいいと思ってた。この特別な時間が。幸せな感覚が。

きっと、あの会場の喧騒に巻き込まれたら、一瞬にして消えてしまう。


夜叉兄が他の人には見せようとしない

この、あたたかさを、手放したくなくて‥‥

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