【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第6章~ハレの涙に盃を~ /―揺れる心―

〝アイツに飽きたらオレのとこ来いよ?

カードキーはオマエに預けとく。

いつでも、待ってるから‥〟


そんな言葉を残して夜叉兄がバルコニーを去って‥‥


自分の視界から姿が消えたあとも

私はしばらく放心状態のままだった。



‥‥そして、それから2週間が過ぎた今でも

私はあの晩の、兄の言葉を消化しきれずにいる。


酔った勢いの妄言として片づけていいのかな?

‥でなきゃあり得ない、あの夜叉兄だよ?


フとした出来心で甘い言葉を吐いてみた?

その場の雰囲気に流されて、ふざけて妹に冗談言っただけで

べつに深い意味なんてなくて‥‥


だけど、そんなことするかな?あんなプライド高い人が?


どうにかして、なかったことにできないものだろうか‥なんて

自分の都合のいいように解釈しようと試みて‥何度も失敗する。


その度に

あの時の‥見たことないほど真剣だった瞳を思い出すし‥

けっして、そんな軽い口調や

ただ思いつきで口にした口説き文句などではなかったような

‥そんな気がしてくるから。


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