【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第1章~兄と弟と、それから私~ /―千手と暴れ馬―

とは思ったものの

多聞の運転でたどり着いた、山裾に広がるグラウンド。


たぶん普段は、のどかで何もない場所なんだろうけど…

現在、乱闘まっただ中…族同士の戦場と化したその場所は

もちろん阿鼻叫喚の地獄絵図で……


「中で待っててください!」

そう言い残して、外に飛び出してった多聞。


一人取り残された車内…


おそるおそる外をのぞき見た、その時…

ガガンッ!衝撃音とともに人の背中が窓にぶつかって

そのままガラスの外側に血の跡を残し

ズルズルと滑り落ちていく…



ギャァァァァ!声にならない悲鳴をあげた、次の瞬間

ドドンッッ!車の屋根に人が飛び乗る音がして

ガンッガンッ!フロントガラスには鉄パイプが突き刺さる。



ヒィィィィィ!殺される、助けて!

こんなことで命落とすくらいなら

あの怪しい書道家に和室で

あんなことや、こんなことされるほうが、まだマシだったんじゃ…


「誰かいんのかっ?オラァッ!!」


すでにボコボコに破壊されかけた車。


ヒビ割れたガラス窓のすき間から

身のすくむような脅し声が聞こえてきて

慌ててドア開け外に駆け出してた。


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