【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

追加章~side葵~ /―あおい春―


あぁ田舎はやっぱり落ち着くなぁ。


空気が澄んでるし、童心に帰れる!


何を食べても美味しくて自然の味がするもん。

人々は皆あたたかくて、流れる時間もゆったりしてるし。


体いっぱいに陽の光を浴びて、目に映る緑と、風の音を感じてると

やっぱり自分のルーツはここにあるんだ‥って

そんな気がしてくるよホント。


「気持ちいいねぇ‥トラオ」

縁側で日向ぼっこしながら眠ってる愛猫に話しかけてみた。


私がこの家を飛び出した時はまだ仔猫だったけど

あれから、ずいぶんと月日が流れ

もぅすっかり、おじいちゃんになっちゃったトラ猫。


その背の毛をソッと撫でて聞いた。

「ねぇ私が帰ってきて、嬉しい?」


こうやって晴れわたった空を眺めてボンヤリしてると

何だか全てが夢のように思えてくる。


ここを離れ、あの場所にいた数年間で

私はいったい何を失くし、何を得たのだろう‥‥



この故郷の刺激の無さに嫌気がさして

憧れと期待を胸に、都会へ飛び出した若い日の自分‥‥



今はもぅ、笑い話にもならないけど

地元の高校卒業した直後の私には叶えたい夢があって

その志を胸に、東京の大学へと旅立った‥‥



0
  • しおりをはさむ
  • 533
  • 5936
/ 730ページ
このページを編集する