【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

追加章~side葵~ /―優しき鬼神―


相手の置かれてる状況も‥次第に

理解するようになる。


お金と権力にモノ言わせて

大きな顔してる人間だとばかり思っていたけれど‥

それだけでもない事情とか‥‥




『この前、見たこともない女の人に、突然を声をかけられてね?』


二人の定期的な雑談会(?)は続いてた。

身の回りで起こったことを報告するためだけに

私はその夜も、その人の部屋を訪れて、話をしてた。



『いきなり〝手をきれ〟って言われたんだけど』


『誰?』

それまで無言でずっと、手元の本に目を落としてた相手が

フイに顔をあげる。



『わかんないよ。そんなの。

アナタの話なんか一言もしてないのに〝どういう関係?〟とか聞かれて。

知らないフリして、とぼけたけど、通じなかった。

〝悪いこと言わないから、身を引くように〟って。

口ぶりからして、アナタの恋人か何かでしょ?』


こんなふうに二人で会ったりしてるから誤解されるんだろう。

いい迷惑だよ。


こっちは役所で紹介してもらった仕事にも

ようやく慣れてきたのに‥‥って、私はとにかく腹が立ってた。


その頃たずさわってたのは

身障者の相談に乗ってサポートするような組織の

窓口や事務処理的な作業。


お給料は安くて、食べてくのがやっとだったけど

自分と同じように困ってる人を、少しでも

手助けできてる気がして、やりがいを感じてた。



0
  • しおりをはさむ
  • 533
  • 5932
/ 730ページ
このページを編集する