【美獣兄弟と義妹の関係】~母が極妻になりまして~【完】

第2章~キョウダイの契り~ /―猛獣狩り―

悶々とした気分で歩いてた、学校からの帰り道。


言うとおりにしなきゃ怒るくせに

自分が言ったことは平気で忘れるよね?

どういう感覚なんだろ、そんなのって。


振り回される人間の立場になって考えたり…

したことはないんだろうな、どうせ。


だいたい、その姫とかいう……


キキッ!!突然

目の前に急停車する黒い車体。



うぉわっ!危ない!轢かれる!!

横断歩道手前、猛スピ―ドで右折してきた車が

いきなり急ブレーキ踏んで停まってた。



恐怖に愕然として立ちすくむ。

あと一歩前に踏み出してたら確実に私、宙を舞ってた。


ちょっと何考えてるの、やめてよ運転手さん!

いや確かにボーッとして歩いてた私も悪いかもしれないけど…


思って、おそるおそる顔をあげたら

音もなく開いた窓から声。


「どうしたよ?浮かない顔して」


………え?

車内から軽く身を乗り出すようにして

見覚えのある顔が笑ってた。



「何かあったか?」

聞かれた瞬間、頭はまっ白…

ぼう然としたまま、慌てて首を左右に振る。



「おいで?」

優しい笑顔で手招きされ、引き寄せられるように駆け寄った。



相手が誰か気づいた瞬間から

私の心臓は尋常じゃなくバクバクいい始めてる。


何だろ?これ。動悸じゃなくて…胸騒ぎじゃなくて……



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