【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第1章~正義と悪を司る人々~ /―寄り添うからだ―

その晩……

千手の暮らす狭いアパートの一室で二人

寄り添いあうようにして過ごしたことに

何の罪があっただろう。



ソファの上で身を寄せ合って

シーツにくるまりながら

夜が更け、お互い眠くなるまで一緒に、語り合ってた。




千手はポツリポツリと話してた。

まるで私に、昔話でも聞かせるみたいに、ゆっくりと。


子供の頃のこと。思い出なんかを。



姉弟二人で留守番中の部屋に

取り立てに来た男たちが土足で踏み込み、暴れまわる。

金目のものを探し散らかし荒らしては

自分たちに向かって大声あげて、すごんできたり。

そんな時いつも、幼い千手を

震える手で抱きしめ、守ってくれた、カンナさんのこと。



まだ平和だった頃に、家族そろって動物園に行って

迷子になった千手を探し出して

手を引いて連れ戻してくれたのも

カンナさんだった、とか。



……そんな話。



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