【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第1章~正義と悪を司る人々~ /―罰と、お仕置き―

事件は、翌日の朝に起こった。


千手のアパートからの帰り道。

ボンヤリと夜叉兄の部屋に向かって歩いてたら

いきなり私の行く手を阻むように

目の前の路上で、急停止した黒塗りのバン。



悲鳴をあげる間もなく

開いたドアの中に、体ごと引きずり込まれる。



ギャァァァ!何するヤメテぇぇぇ!!


とは思うものの

大きな男の、ごつごつした手が私の口元を覆ってて

声には出せない。



スライドドアが乱暴に閉まると同時に

車体は既にどこかに向かって急発進してるし

男に

後ろから抱えられるような格好のまま

強い力で腕をとられてるせいで、身動きもできない。


ほとんどパニック状態で、足をバタつかせるだけの私。


モガモガ言いながら、目だけを動かして

車内の様子をうかがってみたら……


何だか明らかに、目つき鋭く体格のいい

黒っぽい服装に身を包んだ、あやしい風体の男たちが数人

周りを取り囲むようにして、私の顔をのぞき込んでいた。



何で?何されるの?私。すごい怖い。

これは久々に、拉致とかそういった類の……


イヤそんなウソでしょ、ヤメてよ!!


ゾワゾワと全身に鳥肌が立つ。

冷や汗も出てきて。

ガクガクと足が震える。



「間違いねぇのか?」


前の助手席方向から

押し殺したような、野太い男の声が響いた。


「送られてきた画像と同じです!間違いありません!」


背後から私を捕まえてる人間が、張りつめた声で返事をする。



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