【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第1章~正義と悪を司る人々~ /―過去のあやまち―

突然

部屋に来客を告げる呼び出し音が鳴り響く。


「ちょっと失礼します」


機敏な動きで金剛さんが、スタスタと部屋を横切り

インターフォン越しに誰かと話をしてた。



「それで?若の許可はとれてるのか?」


金剛さんの目つきがギロリと険しくなってた。

どうやら口ぶりからして部下の人と話してるみたいだけど……



「……なら無理だ。

たとえ姐さんといえども、若の許可なしに

お嬢と会わせることはできない。そうお伝えしろ」


え?姐さんって、もしかして……


「ママ?!」


慌てて金剛さんのところに駆け寄った。



ママとはもう結構、長い間、会っていない。


新しいお父さん……

つまり修羅兄や夜叉兄の父親である会長様と再婚して以来

二人でどこか別の場所で暮らしてるらしく

お屋敷には滅多に顔を出さない。


こっちから連絡取ろうと思っても

たいてい海外旅行とかバカンスだとか

いろんな理由をつけて、不在の時が多かった。



だからママが結婚してからというもの

私の保護者といえば、ほとんど夜叉兄一人みたいな感じで。


娘の私のことは放任というか

完全に子離れしきっちゃって、自分の人生を謳歌してるんだな

としか思ってなかったので

まさかママのほうから、私を訪ねて来てくれるなんて!



どうしたんだろ?こんな急に!

思ってもみない事態に、飛びあがるほど嬉しくなる。



「ママ?ママ?久しぶり!来てくれたの?!」


インターフォンの画面に向かって勝手にしゃべりかけたら

怖い顔した金剛さんに、肩つかまれてグイッ

引きはがされた。



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