【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第1章~正義と悪を司る人々~ /―Sの悦楽―

猛スピードで近づいてくるバイクの爆音。


聞き覚えのあるエンジンのうなり声にハッとして

路肩にしゃがみ込んでた私が顔をあげると


相手は握っていたハンドルから片手を離し

すくいとるようにして私の体を抱えあげ

そのまま背後にストン。


風をきり、疾走する車体の

後部シートにまたがりながら

ホッとするのと同時に

しがみつく背中に顔を埋める。



最初の頃は乗るのが怖くてしょうがなかったけれど

今は、とても心地よく感じる私の定位置。


そうやって密着してれば、不安なんて何もなくなることも

いつしか知ってた。


例え

この瞬間に大嵐が来て、二人を遠くへ吹き飛ばしてしまっても

それでも一緒にいられれば、どんな恐怖だって困難だって

笑って乗り越えられる気がして、心強くて。



だけど、そう思えたのは、私一人の幻想ですか?



無言のまま、どこかへ向かって

バイクを走らせ続ける、修羅兄の背中に問いかけてた。



「どうして、ずっと連絡くれなかったの?」


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