【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第2章~大いなる禁断~ /―許されざる者―

「あの、捜査って、何の捜査なんですか?

こんなところに、悪い人がいるとも思えない」


しょうがないので

火かき棒で、薪をつつきながら、聞いてた。


チャッポン。頭上では水音。


「悪いヤツはどこにでも、いるんだよ」

「…………」



「キミも身近にも、いっぱいいるだろ?」

「…………」


どんどん火を激しくして、熱湯風呂にしちゃおっかな。

刑事の兄を釜茹でにしたのは、実は血のつながった妹でした、と。

何それ、どんな事件だよ。


そんなことを妄想したりする私は

きっと間違いなく悪人です。


性格が曲がってるし。暗くて鬱陶しくて卑屈。

もはや自分で修正もきかないくらいに。


そうして弥勒さんの言うとおり

こんな私の周りには

世間のルールに当てはまらないような人ばかりが集まっていて。


だけど私は知ってるんだ。

そこに道理や理屈がないわけじゃない、という事実も。



他人から見れば

人の道から外れてる無法者と思われるかもしれないけど

彼らはただ、自分の信じた道を進んでるだけ。


守らなくてはいけないモノを

その両手いっぱいに抱えて、もがいてるだけ。


……何が善で、何が悪か。

信念なんて、それぞれ違うと思うから。

だから聞いてみたくなった。


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