【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第2章~大いなる禁断~ /―普賢―

取材と称した容疑者捜索は

翌日の午前中から行われた。


おばあさんに紹介された

村の家々を訪ね歩いて

それぞれの事情を聞いてまわる。


その人の経歴や、かって住んでいた場所。

村に戻ってきた理由などについて

それとなく、さりげなく。



そばで話を聞く限り

べつに疑わしい人物なんていそうに思えなかったけれど

それでも

村の役場の駐車場で昼食をとりながら

弥勒さんは、おばあさんに言った。


「おかげで、興味深い話がたくさん聞けました。

午後は、先ほどお話を伺ったうち数名の方にお願いして

もう少し詳しくインタビューさせて頂こうと思います。

おばあさんは、仕事にお戻りください。

お忙しいところ、本当に、ありがとうございました」


深々と頭を下げる、弥勒さん。



「そりゃぁ、アンタらのお役に立てて、こっちも嬉しいよぉ」


おばあさんも満足そうに、笑ってかえす。


「…………」


私はそんな光景をボンヤリと見つめてた。


仕事とはいえ、正体を隠し

相手にいっさい、それと悟らせることなく

笑顔でひょうひょうと嘘を言える能力が、すごいと思う。


自分には絶対マネできないな、と。



……………………




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