【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第4章~まわる歯車と掛け違えたボタン~ /―彼女のタイムリミット―

「はぁぁぁぁぁ」


施設のお風呂に入って

一人、考えてた。


いろいろ起こりすぎて、もはや

何について悩めばいいのかわからない状態。


湯気のむこうにかすむ天井を見あげる。



お湯はぬるめの適温で、疲れた体を癒すのには

ちょうどいいのかもしれないけれど

入浴順は、部屋ごとの入れ替え制だったから

藤花ちゃんと一緒に入るのは無理だった。


さっき、あんなことがあって以来

ローズ先生の姿は見かけてない。

(いてもヤだけどさぁ。暗殺者と一緒にお風呂入るなんて怖いから)


もちろん

イダ先輩や文殊先生とか、男性陣は男湯に行くので

今現在、女湯につかってるのは、私一人だった。


「はぁぁぁぁぁ」


もう一度、タメ息をつく。


きっと、まだ怒ってるよね、修羅兄。

どうしよう。

土下座でもしたら、許してくれないかな?


ぼんやり思ってたら

ガラガラガラ……


浴場入り口のガラス戸が開き

体の前面をタオルで隠した女性が

ソロリと入ってきた。


あれ?誰だろ?

湯けむりでモヤモヤと、くもる視界。


女性は洗い場のイスに腰を降ろすと

風呂桶を手に、髪や体を洗い流す。


白い肌と、黒い髪。

ゆるやかにくびれる腰と、やんわり丸い弧を描くお尻‥


何となく、生徒じゃないって、わかった。

漂うのは、成熟した大人の女性の雰囲気。


女性が立ち上がり、ゆっくりと湯船に近づいてくる。



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