【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

「ご一緒しても、よろしいかしら?」


タイルの縁にひざまずき

余裕たっぷりの表情で、ほほ笑みかけられ

思わず目をそらした。


「あ、はい」


その時点で、すでに自分の胸の中で警鐘が鳴ってた。

ボヤボヤしてないで、早くお湯から出たほうが身のため。


ユルリと足を伸ばしてチャポン。

湯に沈む雛菊さんの裸体は

女の私から見ても、とてもきれいだった。


後頭部でまとめた黒髪。うなじがセクシーで艶っぽい。


だからって派手に主張しすぎない色気は

この人が持つ、清楚な美しさを、際立たせてる気がした。


「先に、出ます!」


唐突に私が出した声は、浴室内に反響し

妙に大きく耳に響いて、恥ずかしくなる。


「あ、ちょっと、のぼせちゃいそうだから」


言い訳がましい発言しながら思ってた。


もう、やめよう。

これ以上考えても、いいことなんて何にもない。


私には、大人の魅力なんて、どこにもない。

手足短いチンチクリンだし。

ニキビとか剛毛とかも、すごい悩みだし。

プルプルもち肌なんて、夢のまた夢。


とにかく、相手は雛菊さんだ。

私に勝ち目は、何一つない。



0
  • しおりをはさむ
  • 678
  • 6080
/ 741ページ
このページを編集する