【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第4章~まわる歯車と掛け違えたボタン~ /―寝ても覚めても―

そうして、お風呂を出た後

自分がどうしたのか、記憶がない。


思考が停止して、頭が働かなかった。

人と顔をあわせるのが億劫で。


そう。だから

ただ声を殺して、一人で泣いてたんだ。

暗いトイレの個室にこもって。


……無性に、苦しかった。


雛菊さんの気持ちを、考えれば考えるほど

いたたまれない気分になる。


頑張って生き抜いて欲しいのに。

確率が1%でも残っているのなら。

手術でも何でもして。


自分が雛菊さんの立場だったら、どうするだろう?

やっぱり少しでも、好きな人と一緒にいたいって思うよね?


できることがあるなら、協力してあげたい。

思うと同時に

自分がひどくワガママで、欲張りな人間だとも、感じてた。


雛菊さんの境遇と比べれば

私なんて

修羅兄の妹というだけでも、じゅうぶん幸せなんじゃないの?

なのに、これ以上、何を望むつもり?


今の雛菊さんから、修羅兄を取りあげて

私が独占することに、意味はある?



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