【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

「わかったの。

私には、修羅兄の恋人役はつとまらない。

妹ってだけで精一杯。……これ以上は、無理です。

ごめんなさい」



「…………」


信じられない、とでもいうように

大きく見開かれた瞳で見つめられて


そんなのも、これが最後だと

ボンヤリ思ってた。



「もう、そばにはいられない。

私は離れるから。

修羅兄は、雛菊さんを、支えてあげて」



「ちょっ、何言ってんだよ?

勝手に決めんじゃね、オレは……」



ビクリ!


思わず全身に緊張が走ったのは

修羅兄の肩越しに

見えた顔があったから。



こちらの様子を、うかがうような相手と

目が合った瞬間、兄を突き飛ばして

その場から走りだしてた。



「え、オイ、待っ……」


背後で修羅兄の声がしたけど

それも無視して、顔を伏せたまま


雛菊さんの隣をスルリと駆け抜けた。



そうして私は


車両の中を全速力で走り

たどり着いたトイレの個室にバタン!


一心不乱に駆け込んでた。



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