【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第5章~兄×妹×弟の関係~ /―病院ですること―

エレベーターで病棟の1階におりた時

せっかくのチャンスだから、逃げ出そうかと思ったけど

よく考えたら

逃げ帰る先は、もう無いことに気づいた。


とりあえず、言われたとおり待合室に向かうため

廊下を進んでたら

建物内をキョロキョロしながら歩く、不審な男に遭遇。


何かを探してるのか

あっちこっちフラフラした足取りで、自分の前を行く。


その、後ろ姿を一目みて思う。


何あれ。あんなにも

〝病院〟という言葉と不釣り合いな格好の人もいないだろ。


存在を、これでもかと主張するかのような

ド金髪にクセ毛風パーマ。


黒いサルエルパンツのポケットに両手をつっこみ

のぞく手首には派手な装飾品がジャラジャラと。


何というのか知らないが、先のとがった黒皮靴にも

ところどころにキラキラが……。


そんなのが

鼻歌まじりに肩を揺すりながら歩き回ってる姿は

消毒液のにおいが充満する、神聖な(?)病院内において

完全に、浮いていた。


入院中のご老人たちが、驚いて腰抜かしそうだから

そんな場違いな格好でウロウロしないで欲しい。

と思うし


看護婦長さんに見つかったら、怒られて追い出されるんじゃない?

とも思うけど


相手は、人の視線なんか気にも留めない様子で

通路の奥をのぞき込んだり

立ち止まって、院内マップを眺めたり。


ま、まぁ、私には関係ないや……と思って

男の後ろをすり抜けようとした瞬間


目を疑った。



チラリと視界に入った横顔‥‥え?


あ、誰かに似てる。

いや、見たことある。

って、ウソでしょ?



ぜんぜん

関係ない人、じゃなく


むしろ

ものすごい、知り合いで……。



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