【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

「ゴメン……」


理由は自分でもわかってた。


頬を伝った涙が、ポトリとテーブルの上に落ちた。



「ちょっと、顔みれて、ホッとしちゃって。

いろいろ考えてたから……」


涙を拭いたかったけど

もうスプーンでパフェすくった後だし

そのままパクリするしかない。



「あぁ、やっぱ美味しいよ。ありがと」


泣きながら

クリームの甘さと、イチゴの酸味の

絶妙なハーモニーを味わうはめになる。



「何があったんだよ?」


千手が困惑顔で聞いてきた。



「…………」


何を話すつもりだったんだろう?

わざわざこんな場所まで来てもらったりして。


とりあえず、鼻をすすって深呼吸。

涙を止めてから謝った。


「いきなり泣いたりして、すみません」



「いいよ、気にすんな」


仏頂面の千手がポツリと言って

それから、ゆっくり低い声で続けた。


「アンタには世話かけてばかりだから

オレが力になれることがあるなら

何でもしてやりたいって、前から思ってた」



「いや、そんな。

いつも勝手に首突っ込んでるのは、こっちです。

カンナさんが元気そうだって、宝生君から聞いて

私も今日はすごく嬉しかったし」



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