【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

「秋が一番、風情あんだけどな。

紅葉が色づく頃がオススメ」


ささやくような夜叉兄の声がして

顔をあげたら

黒く澄んだ瞳が、私を受け止めた。


「戻ったんだな」



「……え」


それは〝この家に〟という意味だろうか?

それとも〝修羅兄のとこに〟という……


「でも

夜叉兄がダメっていうなら、出て行きます。すぐに」



「そんな言い方、するなよ」


苦笑まじりにポツリと吐きだされた言葉。


ハッとして

何だか、すごく申し訳ない気分になった。


「ゴメン、なさい」



私がこの家にいられないのは

べつに夜叉兄のせいじゃないのに。


兄に責任を

なすりつけるわけにいかない。



ウン。やっぱり家を出よう。



私がいても、一家の火種になるだけだし

これ以上、夜叉兄に迷惑かけられない。



どこか他の場所でママと暮らしても

学校へ行けば、修羅兄には会えるだろうから。




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