【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第6章~世界が愛であふれるなら~ /―道を説く―

結局そのまま

学校は春休みに突入し

イジメ問題は、うやむやになった。



たぶん未だに、私の知らない何処かでは

罵詈雑言が飛び交い続けてるんだろう……

などと想像すると悲しかったけど


その情報について知る機会がなかったので

できるだけ考えないようにして過ごすうちに

いつの間にか、本当に、気にならなくなってた。



そして、そんなある日……


買い物帰りに

駅から屋敷へと続く道を歩いていたら


ゆるゆるしたスピードで

背後から近づいてくる一台の車。



な、なに?!



不穏な気配を感じ、立ち止まった瞬間

ピタリと私に横付けして、車体が停まる。


運転席の窓が音もなく開いて……



「よかったら、ちょっと乗って行きませんか?お嬢さん」


中の人に、さわやか笑顔で声をかけられ

即答。


「乗りませんけど!」




「そんなこと言わずに、ね?

この近くで、僕が教えてる書道教室の展覧会をやってるんだ。

これから向かうところなので、一緒に行きましょうよ」


妙に他人行儀な言い方してくるけど


「展覧会……?」



「そう。僕が書の師範先生なのは知ってるだろ?

まぁ、生徒と言ってもエロい人妻しかいないんだけど

僕の熱心な指導により、才能を開花させ

ずいぶん色っぽい筆づかいをするようになった教え子さんも

たくさんいてねぇ」



愛染さんが、何だか満足そうに

ニコニコ頷きながら

話しかけてくる。



「へぇ。すごいですね。」


何の感情も込めずに、返してやった。


べつに聞いてないし

聞かされたくもないんですけど

そんな気持ちの悪い話。


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