【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第6章~世界が愛であふれるなら~ /―最後の約束―

屋敷のまわりは

すでに騒然としてた。



黄色と黒のテープで規制線が張られていて

門の前まで近づくことはできなかったけれど


スーツ姿の組員と、武装した警察官が

大勢集まり


怒号まがいの押し問答をしてるのは

離れた場所からでも、わかった。



「マズイな。弥勒の姿が見えない。

もう中に入っちゃったのかな?

けど、いくら住人だからって

今から堂々と玄関を通り抜けてくのは無理があるし

アイツらを押しのけて

正面から強行突破も、現実的に厳しいよなぁ」


運転席の愛染さんが

難しい顔して呟くのを見て

私はハッとする。



「裏へまわってみてください!

奥の庭に続く道が、どこかにあるかもしれない!」



クルリと車の向きを変え

愛染さんは家の裏手に来てくれたけれど


さすがに警備の厳重な屋敷は

高い塀と、お城の堀のような水路で囲まれていて

コッソリ忍び込めそうな場所など、どこにもない。



「どうする?多聞か誰かに連絡取ってみる?

きっと屋敷内も、ごったがえしてるだろうから

それどころじゃないかもしれないけどさ」


愛染さんの提案に、私は首を振らなかった。


「いいです。ここで降ろしてください。

連れてきてくれて、ありがとうございます。

あとは自分で何とかします」



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