【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

追加章~side多聞~ /―白い女―


「何しに来られたんですか?」


ベッドの上で、すました顔して聞かれた。



白い壁の病室に、白いシーツに、白い顔した女。


体を起こして、枕をクッション代わりに座り

手の中のガラス碗には

フォークの突き刺さったグレープフルーツ。


前から思ってたけど

この、自分の同僚である雛菊という人間は

ほとんど亡霊に近い。


顔に表情ないし、態度に愛嬌もないし。

機械仕掛けの人形のようで、とにかく可愛げがない。



「見舞い。ですけど」


答えたら、相手はうつむいて

ハァ~と

疲れたようなタメ息一つ。その後、沈黙。



イラッってなる。


何だ、この女。

なんでわざわざ見舞いに来てやったのに

無視してくるとか、どういう心理だよ。



できるものなら

若に向かって言いたかった。


だからオレは嫌だったんだよ!

こんなとこ来るの!!



0
  • しおりをはさむ
  • 676
  • 6077
/ 741ページ
このページを編集する