【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第1章~正義と悪を司る人々~ /―陰の女―

「あぁ~~!やっぱり、いたいた!!」


背後からの、そんな大声とともに

誰かが駆け足で近づいてくる気配に気づいて

振り向いた。



息をきらせて駆け寄ってきたのは

今日もステージアイドルみたいに、まぶしく煌めくお姫様。



「あれ?姫??お久しぶりっす!お元気でしたか?」


嬉しそうに目を輝かせて挨拶する多聞のほうを見ようともせず

桔梗ちゃんは険しい顔つきでグワシッ!

いきなり私の腕をつかむ。


「ちょっと話あるの!ついてきて!」


「え、ヤだ。」


相手の異様な迫力に、ひるんで逃げだそうとする私。



「話って、なんすか?」


横から口を挟まれた桔梗姫がギッ!

多聞を鬼の形相でにらみつけた。


「多聞は来ないで。女同士の大事な話だから!」


何があったのか知らないけれど、そうとうご機嫌ななめなご様子。

そのまま鋭い視線を私に向けて言う。


「ホラ行くよ!早くして!」


「ぜったいヤだっ!!」


怒られる!わかんないけど確実に叱られる!!

泣かされる!間違いなく酷い目にあわされる!!



抵抗しようと、その場にしゃがみ込んだ瞬間

同性とは思えないくらいの、すさまじい力で腕をひっぱられた。


そのままズルズルと

アスファルトの上を引きずっていかれる私の体。




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