【美獣兄弟と義妹の関係】~兄の恋人になりまして~【完】

第1章~正義と悪を司る人々~ /―涙の理由―

そんなことを、言われましても……。


次の日になっても結局

私はコースターを握りしめたまま、どうすることもできずにいた。


乗り込んで行く勇気なんて、どこにもない。



知らされた住所を、こっそり訪ねてみるのは簡単だろうけれど

そこで、いつかの夜叉兄の時みたいに

見知ぬ女性と仲良くしてる修羅兄みつけたら

もぅ、どうしていいかわからない。



考えただけで、吐きそうになる。

……違う。泣きそうになる。



初恋の人だからって、憧れてただけの夜叉兄とは違う。


〝好きだ〟って言ってくれたし。

妹だからって理由だけじゃなく、抱きしめてくれるし。

頼めばいつだって、優しいキス、してくれるし。


〝ずっと一緒にいような〟なんて約束も……。



だけど、桔梗姫が言ってたのが本当なら

(もちろん聞いた話を、うのみにするわけじゃないけど)

そんな、これまでの二人のことが全部ウソだって

修羅兄に宣言されるようで怖い。



それに黙って様子をうかがいに行くなんて

信じてないみたいで、ダマしてるみたいで

気が引けるような気もして。



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